1翻役

■立直 (リーチ)
  

卓上に1000点を差し出して立直(リーチ)と宣言することで成立する役。これは聴牌(テンパイ)した状態で、自分の順番のときに行います。一度リーチを宣言すると、それを取り消すことはできません。

リーチした際にその1巡内に上がることができれば一発という1翻の役も付きます。また、上がることができれば裏ドラをめくる権利も得られます。この「一発」と「裏ドラ」の付加価値がリーチの大きなメリットです。

デメリットは、当然ですが(1)相手にテンパイが知られてしまうこと。(2)上がることができなければ場に出したリーチ棒1000点を失ってしまうこと。(3)降りることができないこと、この3つが挙げられます。

■門前自摸 (メンゼンツモ)
  

通称、ツモと言われる役。面前(メンゼン;鳴いていない形)の形で4面子(メンツ)1雀頭(ジャントウ)を揃えることで成立する最も基本的な役です。ちなみに、山から牌を持ってくることもツモと言いますので、混同しないように区別しましょう。正式名称は門前自摸(メンゼンツモ)と言います。

■飜牌 (ファンパイ)
  

場風、自風、三元牌(サンゲンパイ)を刻子(コーツ;同じ牌が3枚)で揃えると成立する役。飜牌(ファンパイ)はそれらの総称です。例えば、上の手牌の場合、飜牌という役ですが、わかりやすく「ハク」と言うことが多いと思います。鳴いても、とりあえず3枚揃えれば役になるので、わりと仕上げやすい役です。

また、場風と字風が同じ場合(たとえば東場の東家)は、東を3つ揃えると、場風と字風で合わせて2翻の役になります。その役の名を連風牌(レンプウパイ)と言いますが、一般的にはダブ東(南場の南家ならダブ南)と言うことが多いです。

■平和 (ピンフ)
  

基本的な役の一つ。待ちの広さと、他の役と複合しやすいのが長所です。メンゼンの状態で、順子(シュンツ)を4面子と、雀頭には府の付かない牌を用いることが条件となります(つまり、字牌を雀頭にする場合は、役牌にならない牌でなければいけない)。さらに、聴牌(テンパイ)の時には、必ず両面(リャンメン)の形でなければなりません。例えば、

  or  
など最後の上がり牌が1種類の形では、この役は付きません。

■断ヤオ九 (タンヤオ)
  

1、9、字牌を使わず4面子1雀頭を作ると断ヤオ九(タンヤオ)という役です。ルールによっては、鳴くとタンヤオの役が付かない場合もあるので、注意が必要です。俗に、鳴いてタンヤオのみで上がることを食いタンと言います。「相手の親を流したい」、「トップを逃げ切りたい」場合など、スピードを求めたいときに大変有効です。

■一盃口 (イーペーコー)
  

メンゼンの状態で、同じ順子(シュンツ)を2組揃えることが条件です。一見、難しそうに見える形ですが、わりと作りやすい役です。補足として、例え2組のシュンツとは関係ないところで鳴いていたとしても、イーペーコーの役にはなりません。

■海底撈月 (ハイテイツモ)

局の最後の牌で上がることが条件です。また、最後のツモで捨てた牌が、上がり牌の場合、河底撈魚(ホーテイロン)という役になります。似たような条件なので、どちらの役も海底(ハイテイ)と呼ぶ人も多いです。

■嶺上開花 (リンシャンカイホー)

自分が槓(カン)し、王牌(ワンパイ)から持ってきた牌で上がるのが条件です。明槓(ミンカン)、暗槓(アンカン)どちらでも大丈夫です。また、鳴いた状態でも成立します。

■槍槓 (チャンカン)

他人が明槓(ミンカン)した牌が、自分の上がり牌だった場合のみ成立する役です。

 

 

2翻役

■三色同順 (サンショクドウジュン)
  

マンズ、ピンズ、ソーズの同じ数の順子(シュンツ)をそれぞれ1組揃えることが条件です。鳴いていても三色同順の役は付きますが、その場合は2翻から1翻に下がります。ピンフ、タンヤオと愛称の良い役です。

■一気通貫 (イッキツウカン)
  

俗にイッツーと呼ばれている役。同じ色の牌を123 456 789と、1~9まで揃えることが条件です。
鳴いていても大丈夫ですが、3色と同様に2翻から1翻に下がります

■七対子 (チートイツ)
  

役の名前の通り、対子(トイツ)を7種類揃えることが条件です。基本的な上がり形である、4面子1雀頭(4メンツ1ジャントウ)の形ではないので、少し特殊な役になるのかもしれません。アメリカで生まれた役だそうです。

注意点として、符の計算が七対子に限り、25符になります。待つ牌を自ら選べるので、相手の捨て牌を狙い撃ちしたり、逃げながら上がり形に持っていくことが可能なので、使い慣らせば上達すること間違いなしです。

  

ちなみに、上の手牌のように4枚を対子2組と見ることはできません。

■全帯 (チャンタ)
  

すべての面子、雀頭に1、9、字牌を用いることが条件です。鳴いた状態では1翻の役になります。

  

補足として、上の手牌の場合は、雀頭の西が字風、場風でないのなら、平和の役も付きます。4ソーをツモってきた場合は、当然チャンタにはなりません。

■三暗刻 (サンアンコー)
  ツモ

暗刻(アンコー)を3組揃えることが条件です。たいていこの手を仕上げたときは、何か他の役も付いていることが多いので、高得点が期待できます。

  ロン       

また、上の手牌のように、鳴いていても三暗刻になります。役も2翻のままです。必ずアンコー(鳴いていない3つの同じ牌)で3組揃えてください。

■対々和 (トイトイホー)
          

通称トイトイ。暗刻(アンコー)、または明刻(ミンコー)を4組、そして1つの雀頭が条件です。覚えやすい役なので、麻雀を始められて間もない方が好む傾向にあります。ただし、鳴けば自ずと手牌が少なくなりますから、防御面に不安があります。実は上級者向けの役だったりします。無理にトイトイに仕上げるのであれば、同じ2翻役の七対子(チートイツ)の方がお勧め。それでもトイトイに向かう場合は、常に場の状況を把握しておきましょう。

■三色同刻 (サンショクドウコー)
           

同じ数字の牌を暗刻(アンコー)でも明刻(ミンコー)でも、3種類揃えることが条件です。どちらで仕上げても2翻の役になります。手役の中でも比較的見る機会は少ないと思います。

■小三元 (ショーサンゲン)
           

三元牌(サンゲンパイ;白、発、中)を面子と、雀頭(ジャントウ)に利用することが条件です。三元牌をすべて面子(メンツ)に用いると、大三元という役満の手になります。三元牌はどれも飜牌(ファンパイ)でもあるので、この小三元で上がった場合、最低4翻の役が確定します。上の例だと、小三元、発、中の合わせて4翻の満貫。

■混老頭 (ホンロートー)
  ロン       

ヤオ九牌(ヤオチュウハイ;1、9、字牌)のみで形成した手役。面前(メンゼン)でも、鳴いても2翻の役になります。この役を作ると、トイトイという役も必ず付きますから、これを仕上げると4翻の役が確定します(→最低満貫)。もし、上の例で9ワンをツモ上がりしていた場合は、さらに3暗刻も付きますから、ハネ満になりますね。得点の高い手になりやすい形です。

■ダブル立直 (ダブルリーチ)

1巡目にリーチ(つまり、配牌時でテンパイ)を掛けることで、この役が付きます。なので、無理な形でも1巡目にリーチ可能なら、なるべく仕掛けた方がお得です。ただし、子の時に、自分の順番が回ってくるまでに誰かから鳴かれると、ダブルリーチの役は成立しません。略して「ダブリー」と言う人が多いです。

 

 

3翻役

■混一色 (ホンイーソー)
  

通称ホンイツ。マンズ、ソーズ、ピンズの内の1種類と字牌の組み合わせで作る手役です。鳴いてもホンイツになりますが、その場合は2翻の役に下がります。鳴いても字牌などと役を複合しやすい利点もあり、比較的狙い安い役です。

また、たいていこの役は、鳴いて仕上げるケースの方が多くなります。よって、上の手牌のように、鳴かないでホンイツを仕上げた場合を、それと差別化する意味も込めて「メンホン」と呼ぶのが一般的です(メンゼンのホンイツの略)。

■純全帯 (ジュンチャンタ)
  

通称ジュンチャン。面子(メンツ)にすべて、1と9を含みにした面子と雀頭(ジャントウ)で仕上げます。鳴いて仕上げても大丈夫ですが、その場合は2翻の役に下がってしまいます。

■二盃口 (リャンペーコー)
  

同じ順子(シュンツ)を2種類、それを2組そろえた形が二盃口です。見方によっては七対子(チートイツ)にもなりますが、複合させることはできません。3翻の役の中では、最も見る機会の少ない上がり形です。

 

4翻役

■流し満貫 (ナガシマンガン)

この役はかなり特殊で、自分の捨て牌がその局終了まで、すべて1、9、字牌のみ捨て続けることによって実現します。進行の途中で他家から鳴かれても、その時点で流し満貫は成立しなくなります。この役は、広く採用されていますが、健全な麻雀ルールでは、採用されていないこともありますので、事前に確認しておいた方が良いかもしれません。

 

6翻役

■清一色 (チンイーソー)
  

通称チンイツ。マンズ、ピンズ、ソーズのどれか1種類のみだけで構成された手役です。鳴いても大丈夫ですが、その場合は5翻の役に下がります。最低満貫になり、得点が欲しい時は狙いたい手役です。ただし、使う牌がかなり限定されますので聴牌(テンパイ)したとき、待ちが広くなるケースが多くなります。その時は、振聴(フリテン) にだけは充分注意しておきましょう。上の例では、5ピンで上がりです。一瞬ではなかなか判別しづらいと思います。

 

 

役満
親48000点 子32000点

■四暗刻 (スーアンコー)
  ツモ

その名の通り、暗刻(アンコー)を4つ揃えることが条件です。役満の中では、最も多く現れる手役です。上の例だと、必ずツモらないと成立しません。ロン上がりの場合は、ロンして使われる面子(メンツ)が明刻(ミンコー)扱いですから、三暗刻(サンアンコー)とトイトイの役になってしまいます。

  ツモ or ロン

また、先に暗刻を4つ面子を揃えた状態から、雀頭(ジャントウ)待ちで上がる場合は、当然ロン上がりでも四暗刻です。この場合、「四暗刻単機待ち」という、さらに点数の高い役(ダブル役満)にしているケースもあります。ただし、ルールによっては、どちらも同じ役満として扱うことも多いので、事前に確認しておきましょう。

■大三元 (ダイサンゲン)
          

三元牌(サンゲンパイ;白、発、中)を暗刻(アンコー)でも、明刻(ミンコー)でも3組すべて揃えることが条件です。役満の中では、わりとチャンスの機会が多いと思います。

■国士無双 (コクシムソウ)
  

ヤオ九牌(ヤオチューハイ;1、9、字牌)13種類と、それらの中から雀頭(ジャントウ)を1つ用いることが条件です。特殊な形の役です。

■字一色 (ツーイーソー)
          

字牌のみを使った役満です。上の例では普通の4面子1雀頭の構成ですが、七対子(チートイツ)の形で仕上げても構いません。

■緑一色 (リューイーソー)
           

ソーズの2、3、4、6、8、発のみを用いて構成された手役です。それ以外の牌では、1ソーには絵柄が描かれており、5、7、9は竹の絵に赤色が混ざってるので緑一色にはなりません。

   

また、発を必ず用いないと緑一色として認めてもらえないルールもあります。ただし、基本的には発がなくても、その条件を満たしていれば緑一色として上がることが可能です。

■九蓮宝燈 (チュウレンポートー)
  

1と9をそれぞれ3枚、2~8の牌を1枚づつ揃え、それに何か同種の数牌(スーパイ)を1つ加えて構成します。ちゃんと基本の上がり形である、4メンツ1ジャントウになっていることを確認してください。ルールによっては、萬子でないと駄目であったりしますが、基本的にはピンズでも、ソーズでも大丈夫です。

また、上の例で上がった場合を、純正九蓮宝燈と呼び、ダブル役満として取り扱うルールもあります。役満の中でも非常に難しい形です。たいていチンイツの上がり形になりますから、九蓮宝燈を狙う場合は振聴(フリテン)にも気をつけておきましょう。

■清老頭 (チンロートウ)
          

老頭牌(ラオトーパイ;1と9のみ)で4面子、1雀頭作ることが条件です。面前でも、鳴いていてもかまいません。

■小四喜 (ショウスーシ)
         

風牌(東、南、西、北)すべて、面子と雀頭に用いることで役になります。また、風牌をすべて面子として用いることで、大四喜(ダイスーシー)という役満の手になります。面前でも、鳴いても構いません。

■大四喜 (ダイスーシ)
        

風牌(東、南、西、北)をすべて、面子(メンツ)として揃えることが条件です。上記の小四喜(ショウスーシ)より難しい構成ですから、ダブル役満として扱っているルールもあります。

■四槓子 (スーカンツ)
  ツモorロン       

役満の中でも最も難しい役、というよりほとんど実現することのない形です。4つもカンをするのなら、四暗刻を仕上げた方がより効率的ですし、最初から狙って上がることはほぼ無理です。暗槓(アンカン;自分の手牌から槓)、明槓(ミンカン;鳴いて槓)どちらで仕上げても大丈夫です。

■天和、地和、人和 (テンホー、チーホー、レンホー)

親の配牌時に上がり形になっている場合、天和になります。子の場合、1巡目のツモで完成形になると地和という役です。また、自分のツモになる前に人から上がることができると人和になります。

地和、人和では上がるまでに他家から鳴かれてしまうと消滅します。